聴く者の心を裸にする。貫き続ける唯一無二の音 【MADALA ライブレポート】
-異彩を放つ音楽が空間を刺激する
「行こうか」Vo.Gakuの雄叫びを皮切りに彼らの狼煙が上がる。
ミクスチャーパンクバンドMADALAは、12月27日shibuya eggmanにてイベント、The Music Draws The Life 年末スペシャルに出演。
「すいませんね、弾き語りでいい雰囲気の中・・・・・・」「これしか出来ないんですよ!」
Fuck it、MATSURIと続けて超攻撃的かつ、バンドの顔とも言える2曲を披露。激しく猛々しい楽曲とは裏腹に、茶目っ気のあるMCを展開。二面性を内に潜めるMADALAの楽曲の片鱗が垣間見えた瞬間だ。
「壁一枚くらい皆とあるからさ」観客との距離感をこう語りつつも、場内の雰囲気に臆することなく飛び込んでゆく。
3曲目には、11月18日に配信開始されたEP『SUPER NEW』より、リード曲の『バカって言ったクソったれのツラ、俺は全員覚えてるからな。』を披露。
"東京都品川区馬鹿代表"を掲げる彼らは、人々の根底に潜む怒りや憤り、葛藤、コンプレックスを音に込めて放つ。生きてゆく上で自然と抑制された感情を、押し殺すことなく表現してゆく。
「そのままいこうぜ」とGakuが心を振り切る、"馬鹿"になる瞬間に観客を誘う。笑みが零れるメンバー、ほころんでゆくオーディエンスの表情。だんだんと増えるレスポンス。
「少しずつ距離が縮まってる感じがして嬉しい」
着飾ることのない、体当たりの想いが込められた音楽だからこそ、聴く人の心へと近づいてゆけるのだろう。徐々に取り払われてゆく壁を肌で感じながら、確かに爪痕を残してゆく。
-「俺らがMADALAだ」
4曲目はこれまでの楽曲と比べ、レイドバックした雰囲気とダンスミュージックを彷彿とさせるサウンドに、MADALAの音楽性を色濃く映した、キャッチーかつエモーショナルな『Jap Dance』を披露。
「前に来い」「手を挙げろ」「声を出せ」
ライブハウスでよくある煽り。彼らは決して強要するわけではない。その代わりにずるすると、人間の潜在的な意識を引き出してゆく。『REPRESENT』はまさしくそんな楽曲だ。
例えば、ドラマの中だけにある美しさ。表面だけを立派に取り繕うような綺麗事。反対側に潜む葛藤や怒り、醜さや脆さは、美しさの向こうへ隠すべきなのか?心の中を見透かすような問いかけが、音にのって運ばれてくる。MADALAは、そんな迷いをかっさらう。美しさも醜さも、全て等身大の自分だと認めてあげていい。
それは、聴く者の心を裸にする音楽。
自らの全てをさらけ出し、音として表現する。やりたいことをやりたいようにやる。言いたいことを言う。明確な意志、覚悟がなければできないこと。彼らの瞳が鋭さを失うことはない。
「今年もあと残すところ少しの中、皆と会えて嬉しい。また来年、どこかで会いましょう」
ラストは、公開から1週間で15,000回再生を記録したナンバー『BURN』を披露。最後の瞬間まで、はち切れんばかりの熱量でフロアーを湧かした。
「俺らがMADALAです。どうぞよろしく!」
この夜の幕引きは、この言葉で締めくくられた。
12月31日にはSHIBUYA THE GAMEで行われる年越しイベントのトリを飾り、翌年1月18日にはShibuya JUMPとのコラボイベントでワンマンライブを決行、また2月20日にはclubasiaにてAnother Storyらをゲストに迎えた主催イベントを開催と、目まぐるしい新年の始まりになりそうだ。
世間がなんと言おうと、『自分』と真正面から向き合い、自分が自分であるための営みを貫くMADALA。どんな自己でさえも偽りなく表現する、その音楽が切り拓く可能性を、是非ともあなたの五感と心で感じて欲しい。
text by Reina
【出演】
・けごい(Another Story / Keigo)
・0C諸島(CODE OF ZERO)
・MADALA
・LOKA
・Initial’L
・ANTI-HERO SUPERSTAR
【セットリスト】
12/27@shibuya eggman
1.Fuck it
2.MATSURI
3.「バカって言ったクソったれのツラ、俺は全員覚えてるからな。」
4.Jap Dance
5.REPRESENT
6.BURN
【公式Webサイト】
http://www.madala-official.info
【公式MV】
▶ MATSURI
▶▶「バカって言ったクソったれのツラ、俺は全員覚えてるからな。」
▶▶▶REPRESENT
▶▶▶▶ BURN